201910.13Sun

犬の食手帳

肝臓値「ALP」「ALT(GPT)」が高い場合のドッグフード選び

このところ増えてきている犬の病気の一つに「肝臓&胆嚢トラブル」があります。

肝臓&胆嚢トラブルは、血液検査の「肝臓数値」と呼ばれる項目が一つのバロメーターになります。でも、血液検査データには専門的なアルファベット・数値が並んでおり、理解しにくいですよね。さらに、その検査結果を受けての食事対策となれば、「どうしてあげれば良いのかわからない」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?

このページでは、肝臓&胆嚢にトラブルを抱えるワンちゃんに合った食事を知っていただくために、特に重要な「2つの肝臓数値ALP/ALT(GPT)」と「肝臓数値からわかるドッグフードの選び方」について、わかりやすくご案内します。

<目次>

重要な「2つの肝臓数値」とは?

犬の血液検査の肝臓数値には、ALP・ALT・AST・GGT・T-Bilなど、複数種があります。これらの肝臓数値の中で、犬の食事ガイドで重要な項目は「ALP」と「ALT(GPT)」の2つ。ALP&ALTをチェックすることにより、その子に合った栄養バランスを知ることができます

1)ALPについて

ALP(アルカリフォスファターゼ)は、肝臓機能自体のトラブルを表しているというよりは「肝臓周辺の滞り(胆嚢・胆管の異常)」を表現している項目です。

例えば、「胆泥症・胆嚢粘液嚢腫などの胆嚢疾患」や副腎ホルモン異常の「クッシング症候群」などでALPが高くなります。また、ALPが高いワンちゃんでは、食事中の「脂肪」が負担になるケースが一般的です。

2)ALT(GPT)について

ALT(GPT)は、肝臓機能自体のトラブルを表す項目です。

そして、ALTが高い犬では「タンパク質」代謝に負担がかかっていることが想定されます。(※ALTが高いけれども、ALPが正常な犬では「脂肪」代謝に問題はないと考えられます。)

ALPが高い犬の食事ガイド

ALPが正常値を超えているワンちゃんは、「低脂肪」の食事が望ましいです。ドライフードでは「粗脂肪10%以下」のものを選ぶことがポイントです。

脂肪の「量」だけではなく「質」も大切

高ALPの場合、低脂肪という「量」に留意することはもちろん、脂肪の「質」もチェックポイントとなります。具体的には、できるだけ「酸化していない脂肪」であると共に「脂肪酸バランス(脂肪の種類&配合率)」への配慮が大切です。

酸化していない脂肪とは?

脂肪は「酸素に触れる」「高温にさらされる」と酸化してしまいます。酸化した脂肪は、犬の健康リスクとなる成分であり、高ALPのワンちゃんには注意が必要です。そのため、できるだけ酸素に触れることをさけ、低温で仕上げたドッグフードが好ましいところです。

脂肪酸バランス

脂肪といっても、様々な種類があります。その中で「オメガ3脂肪酸」「リノール酸」など、高ALPの子にも負担になりにくい脂肪酸をバランスよく補うことが大切です。

高ALPにお勧めの「犬心」は?

犬心シリーズの中で、高ALPの子にお勧めのフードは「犬心 糖&脂コントロール」「犬心 シニアサポート+」の2種です。どちらも「低脂肪」「良質な脂肪」という条件を満たしています。

犬心 糖&脂コントロール

胆泥症・クッシング症候群・高脂血症など、高ALPと深く関わる病気に対応したドッグフード。高ALPの子に、まずはこちらがお勧めです。

犬心 シニアサポート+

嘔吐などお腹が弱いワンちゃんでは、より消化しやすい「犬心 シニアサポート+」がベターなケースもあります。

(※高ALPと共に、腎臓病・尿路結石・高ALTを併発しているワンちゃんでは「犬心 低たんぱくバランス」が最良というケースもございます。)

ALT(GPT)が高い犬の食事ガイド

ALTが高いワンちゃんでは、「低タンパク質」の食事を選ぶことが最重要です。ドライフードでは、粗タンパク質20%程が目安となります。また、脂肪の項でご案内したことと同じく、タンパク質が「良質」であることも大切なポイントです。

「良質なタンパク質」とは?

①肝臓に配慮した「アミノ酸バランス」

タンパク質は「20種類のアミノ酸」が連なった構造をとっています。そして、犬が必要とするアミノ酸の量は20種類それぞれで概ね決まっており、全てのアミノ酸を過不足なく補給できる食事が好ましいところです。

さらに、高ALTのワンちゃんにおいて、「しっかりと補給すべきアミノ酸」と「肝臓負担になりやすいアミノ酸」があり、健常な犬以上にアミノ酸バランスを最適化することが望まれます。つまり、高ALTの子の食事対策として、「アミノ酸バランスに配慮したタンパク質」が大切なポイントとなります。

②タンパク質の劣化現象「変性」をブロック

タンパク質は、高熱により「変性」と呼ばれる構造変化が起こります。「変性」したタンパク質は、消化吸収がされにくく、より肝臓負担がかかってしまいます。

そのため、できるだけ「変性」していないことも「良質なタンパク質」の条件となります。

高ALTにお勧めの「犬心」

高ALTのワンちゃんには、「犬心 低たんぱくバランス」がお勧めです。

◇高ALTに対応 → 犬心 低たんぱくバランス

こちらは、肝臓に負担がかからない「良質な低タンパク質」を実現していることはもちろん、その他の要素でも高ALTに良いフードに仕上げています。

従来の肝臓食では、「偏った栄養バランス」「高脂肪・高炭水化物」「良質とは言えない原料・製法」など、長く続けることに不安が残ることが一般的でした。「犬心 低たんぱくバランス」は、「安心して長く続けられる肝臓食」というコンセプトの下、開発した自信作となっています。

(※ALT・ALPが両方とも高いワンちゃんでは、「犬心 低たんぱくバランス」がお勧めです。ただし、ALTは少し正常値より高いにすぎずALPはかなり高値といった子では、「犬心 糖&脂コントロール」などがベターというケースもございます。)

まとめ

  • 肝臓&胆嚢トラブルのワンちゃんでは、血液検査の2項目「ALP」「ALT」をチェックすることで、食事対策のポイントを把握することができる。
  • 高ALPの子では「脂肪の量(低脂肪)&質(酸化していない・脂肪酸バランスが取れている)」が大切。犬心シリーズでは「犬心 糖&脂コントロール」「犬心シニアサポート+」がお勧め。
  • 高ALTの子では「良質な低タンパク質」が重要。お勧めの犬心は「犬心 低たんぱくバランス」。

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「犬の食手帳」とは、犬の食事について研究していく過程で得た、様々な情報を発信していく「犬の食にまつわる情報マガジン」です。ナチュラル療法食「犬心」の活用法を中心に、病気のワンちゃんはもちろん、健康な子の食事も含めて、「愛犬の食の悩み」を解決に導く情報を発信していきます。 犬の食に精通した専門家が執筆しているため、動物栄養学にもとづく、確かな情報をお届けします。

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